宝塚市の内科・消化器内科・内視鏡検査
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食道・胃・十二指腸の病気
逆流性食道炎
原因と症状
逆流性食道炎は、胃液(胃酸)が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症が生じる病気です。胃酸が増え過ぎ、胃液の逆流を防ぐ機能が働かないことで起こります。胃酸がのどに上がって酸っぱく感じ(呑酸)、胸やけ、のどの不快感が続きます。肥満や加齢、食道裂孔ヘルニア(食道下部の筋肉が緩んだままになる状態)、姿勢、生活習慣などが原因となります。
検査
診断には胃カメラ検査が必須です。粘膜を観察して炎症の程度を評価します。胃カメラでは同時にのどの赤みや腫れの有無、胃内容物の状況を評価し、最適な治療の選択が可能です。
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食道粘膜の炎症により赤くただれてキズがあります(当院資料)。
治療
プロトンポンプ阻害薬(PPI) またはP-CABと呼ばれる、胃酸の分泌を抑える内服薬が有効です。軽症の場合は症状があるときだけ服用します。他に消化管運動改善薬、粘膜保護剤などを症状に合わせて使います。
バレット食道
原因と症状
バレット食道は、逆流性食道炎が慢性的に続くことで、食道の細胞が胃の細胞に置き換わった状態を指します。「バレット食道がん」と呼ばれる食道がんのリスクを高めます。バレット食道のがん化リスクとして関連が深いのは、肥満と喫煙です。バレット食道自体には特有の症状はありませんが、逆流性食道炎と関連する症状として、胸やけや呑酸などの症状がみられます。
検査
バレット食道は、胃カメラ検査で診断します。バレット食道の粘膜長が3cm以上の場合はLSBE(ロング・バレット)と呼び、がん化のリスクが高いため定期的な経過観察が望まれます。
治療
がんの発症の予防と状態の悪化を防ぐために、逆流性食道炎と同様の内服治療や、肥満・食生活の改善が大切です。
胃がん
早期胃がん
胃がんは胃の表面粘膜から発生し進行すると粘膜の下に浸潤していきます。早期胃がんはがん細胞の浸潤が胃粘膜層、胃粘膜下層までにとどまっています。早期胃がんの粘膜層にとどまっている状態で発見できれば、外科手術ではなく内視鏡手術で完治できる可能性があります。しかし、早期胃がんは基本的に自覚症状が無く、進行がんでも症状がないことも多くあります。胃がんの原因の多くはヘリコバクター・ピロリ菌の感染による萎縮性胃炎が原因です。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受けて、ヘリコバクター・ピロリ菌の影響を受けた粘膜かどうかを確認した方が良いでしょう。その後は定期的に検査することをお勧めします。
進行胃がん
進行胃がんはがん細細が胃の筋層より深く浸潤した状態です。胃がんは粘膜の下に深く浸潤すればするほど、転移を起こす確率が高くなり治癒を目指すのが難しくなります。胃がんは、食事が通過できない状態になるぐらいまで進行しないと自覚症状が出現しにくい病気です。しかし、早期胃がんの状態で見つかれば完治を目指すことが可能です。胃がんの原因の多くはヘリコバクター・ピロリ菌の感染による萎縮性胃炎が原因です。症状の有無にかかわらず一度は胃カメラ検査を受けて、ヘリコバクター・ピロリ菌の影響を受けた粘膜かどうかを確認した方が良いでしょう。その後は定期的に検査することをお勧めします。
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不整な潰瘍をともなう未分化型の進行胃がんです. ひだのひきつれれと硬化所見がみられ、深く浸潤した状態です(当院資料)。
ピロリ菌・慢性胃炎
ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、炎症や潰瘍を生じさせる細菌です。ウレアーゼという酵素を作ることで胃酸を中和し、胃の中でも生きることができます。多くの研究により、慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因になることが分かっています。ピロリ菌の感染が長く続くと萎縮性胃炎という粘膜の変化を来し、胃癌のリスクが通常の人よりも高まるため、胃癌の早期発見のため定期的な胃カメラの検査が推奨されます。ピロリ菌の検査や適切な除菌治療は、胃の健康を守るために非常に重要です。
感染経路・症状
ピロリ菌の感染経路は、かつては井戸水を介した感染経路が主流でしたが、現在は主に家族内感染です。ピロリ菌を保有している親や祖父母などの近しい大人から感染します。ピロリ菌の感染が続くことにより、胃の粘膜に炎症が起こり、萎縮(粘膜が薄くなる)が起こります。症状がない方も多いですが、慢性的なみぞおちの痛みや胃もたれ、上腹部の張りの原因となることもあります。
診断・検査方法
ピロリ菌による慢性胃炎は胃カメラで診断できます。ピロリ菌は、胃カメラの際に調べることができるほか(培養、鏡検、迅速ウレアーゼ試験、核酸増幅法)、息を吐く検査(尿素呼気検査)や血液または尿検査(抗体)、便検査でも調べることが可能です。
治療・除菌判定
ピロリ菌に感染していることが分かったら、胃カメラ検査をおこない、緊急性の高い胃がんがないことを確認したうえで、ピロリ除菌治療を行うことが推奨されます。「3剤併用療法」と呼ばれる治療方法で、胃酸分泌を抑制する薬1種類と抗生物質2種類の計3種類の薬を1週間内服します。初回の一次除菌の成功率は約80〜90%で、もし除菌が失敗した場合は、一部の薬剤を変更し、二次除菌を行います。二次除菌の成功率は約90%で、二次除菌までは保険適用となります。
ピロリ除菌の効果判定は内服終了後4週間以上経ってから、尿素呼気試験で判定します。尿素呼気試験は、ピロリ菌に感染の有無を調べる最も信頼性のある検査方法です。
残念ながら二次除菌でもピロリ菌が残る場合は、年に一度の胃カメラ検査による経過観察を続けるか、ご希望により三次除菌(※自費)を検討可能です。また、ペニシリンアレルギーなどの薬剤アレルギーをお持ちの場合も、保険適用の治療法がないため、自費診療での対応となります。
除菌治療後の注意点
ピロリ菌を除菌することで、胃がんの発生を減少させることができますが、胃粘膜の萎縮は残るため、胃がんの発生率はゼロにはなりません。除菌治療後、胃の不調を感じなくなっても、1〜2年毎の定期的な胃カメラ検査を受けることが大切です。胃潰瘍・十二指腸潰瘍に関しては再発をほぼ抑えることができます。一度除菌するとピロリ菌が再感染する可能性は非常に低いです。また、ピロリ菌治療はお子さんお孫さんなど次世代への感染予防効果も期待できます。
当院では、患者様の症状やご希望に合わせ、ピロリ菌の検査から治療まで対応いたします。胃の健康を守るため、ピロリ菌が気になる方は、お気軽に当院までお問い合わせください。
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ピロリ菌陽性の慢性胃炎の内視鏡です。斑点状の発赤と粘膜の全体的な赤みが特徴です(当院資料)。
機能性ディスペプシア
原因と症状
機能性ディスペプシアは、原因となる明らかな異常がないにも関わらず、心窩部痛(みぞおちの痛み)や胃もたれなどの腹部症状が、慢性的に長く続く状態のことをいいます。比較的新しい病名で、かつては神経性胃炎と呼ばれていました。機能性ディスペプシアは日本人の1割が罹患している、頻度の高い疾患です。
原因はさまざまで、胃・十二指腸の運動の異常、知覚過敏、胃酸の過剰、ストレスや生活習慣などが影響して症状が出ます。また、ピロリ菌の感染も一因です。
症状は、食後の胃もたれ、食べ始めてすぐに満腹感を覚える早期飽満感、みぞおちの痛みや焼ける感じです。
検査
胃や十二指腸の疾患、その他の疾患を除外することが必要です。胃カメラやピロリ菌の検査、血液検査や腹部超音波検査、CT検査などをおこないます。ピロリ菌の感染がある場合は、除菌治療により症状の改善が得られる場合があります。
治療
生活習慣の改善、内服薬の治療が主体です。胃腸の運動を改善するような薬や、胃酸を抑える薬が用いられ、効果が不十分であれば、漢方薬や抗不安薬が有効なこともあります。
胃悪性リンパ腫・胃MALTリンパ腫
悪性リンパ腫は血液細胞に由来するがんですが、胃粘膜に発生することがあります。また、ピロリ菌感染に関連した特殊な悪性リンパ腫(胃MALTリンパ腫)を発症することもあります。胃MALTリンパ腫は、進行が比較的遅く低悪性度であるため、胃以外の臓器に転移のない段階であれば、ピロリ除菌治療が第1選択となります。ピロリ除菌が奏功すると、腫瘍が退縮し、再発率も3%程度です。病理組織検査とピロリ菌検査の結果により、他に外科手術・化学療法・放射線療法の治療法があります。進行するまで自覚症状が出にくいため、早期発見のために一度は胃カメラ検査を受け、その後は定期的に検査することが大切です。
胃粘膜下腫瘍・胃GIST
胃の粘膜よりも深い層からできる腫瘍を胃粘膜下腫瘍といいます。 胃の正常粘膜がなだらかに盛り上がっているように見えます。1cm以下の小さな胃粘膜下腫瘍は、無症状で検査中に時々見つかります。大きさや形に変化がない良性の胃粘膜腫瘍が大半のため、年1回程度の経過観察をします。
胃粘膜下腫瘍のうち、数cm以上に増大して肝臓やリンパ節に転移する、悪性の胃GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor:消化管間質腫瘍)があります。胃GISTの場合、腹腔鏡手術や分子標的治療を行います。
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